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第40話 春の曲宴

last update publish date: 2026-07-29 13:04:06
私は賀が好きです。

皇帝を愛してます。

気持ちは違うけれど、ここぞとばかりにウソをついた。

皇帝は私の弁明を聞き入れ、王宮にとどまるのをお許しになられた。

「伝え聞いたが、朕が不在だからと言って、二度と近衛兵などに手をつけるなよ」

皇帝にしては、わりかしキツい口調で私を叱った。

床にひれ伏し、私はそのお叱りを肝に銘じた。

季節は巡り、春が来た。

私は監視つきの猶予期間をへて、やっと第二夫人の座に返り咲いた。

「梅妃様。梅皇貴妃」

女官が私の部屋に来て、呼びかけた。

「何よ。どうしたの?」

「今日の予定、ご存知ですか」

「え? 昼から詩歌の詠み会でも」

「それは一昨日でございます。もう、皇貴妃。しっかりなさってくださいな」

「あ! 思い出したわ。白虎王子の誕生会を兼ねた曲宴(*1)だった。違う?」

「そうでございますとも。曲宴は昼からですが、午前のうちに皇貴妃のお召しになる着物合わせをする予定です。今から行いますので、私についていらしてください」

女官はそんな風に告げ、私を部屋から連れ出した。

赤い着物、緑の着物、ピンク色の着物。さまざまな色の着物を、大きな鏡(青
天衣 琴音

(*1)現代の園遊会に相当する風雅な社交会。当時のガーデンパーティー。 (*2)麦芽糖を糸状に引き伸ばした、絹糸のような口溶けのよいお菓子。 (*3)キンモクセイの花の香りのする、もち米と米粉を使用した蒸し菓子。

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  • アジアンロマンス ~私を平気で裏切ったあなたには、最高の罰で償ってもらいますから~   第48話 三つ巴

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  • アジアンロマンス ~私を平気で裏切ったあなたには、最高の罰で償ってもらいますから~   第6話 企み

    中国の王宮で暮らし、しばらくたった。 梅皇貴妃と呼ばれる私は、第二夫人として、宮中でそれらしく振る舞った。 その身分を受け入れ、貴婦人らしく振る舞いさえすれば、何不自由のない豪奢な生活を送れた。 現世ではただの主婦だったから、気持ちのいいことこの上ない。 本来はその世界の住人でなく、中国だの、宮中だの、何も知らない。 知らなくても、ここの人は皇貴妃だと言い、すり替わったことを疑わない。 元のままだと信じる人がいるなら、演じるだけだ。 お陰で中国の王宮生活にも慣れ、かなりいい気になっていた。 私は貴婦人である。皇貴妃という身分は、皇帝の愛を受け入れる二番目の夫人らし

  • アジアンロマンス ~私を平気で裏切ったあなたには、最高の罰で償ってもらいますから~   第5話 宮廷料理

    どういうわけだか、中国の王宮のような場所で暮らすようになった私。しかも、都合のよいことに、皇貴妃という身分でいられる。とても嬉しい。中国の王宮の生活にもかなり慣れてきた。私は貴婦人である。相手として対象になる男性がいるなら、それは皇帝だろう。皇帝とは寝所で二人きりの時間を過ごした。とても感慨深い、特別な時間だった。皇后とは風呂でご一緒した。さすがに皇后だけあって気品にあふれ、息を呑むほどに美しかった。私もそうありたいものだと思った。何かしたければ、お付きの召使か女官を呼べばいい。どんなささいなことでもしてくれる人たちだ。彼らを使うことに抵抗がなくなった。それだけ、信頼を置いてい

  • アジアンロマンス ~私を平気で裏切ったあなたには、最高の罰で償ってもらいますから~   第4話 極上の湯あみ

    どういうわけだか、中国の王宮のような場所で暮らすようになった私。しかも、都合よいことに、皇貴妃という身分にあるのだから、とても嬉しい。私は貴婦人である。相手として対象になる人がいるなら、それは皇帝をおいて他にいないだろう。何かしたければ、お付きの召使か女官を呼べばいい。実際、女官に服の着替えや、ベッドメイクをしてもらった。恥ずかしかったが、トイレを頼んだときもあった。彼らを使うのにも、すっかり慣れた。二十畳ほどの広い部屋に一人ぽつんといると、ちょっと寂しい。体に少しむずがゆさを感じ、入浴したくなった。召使を呼んだ。「風呂に入りたいのじゃ」「はい。準備して参ります。しばし

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